朝一番。1,800頭の母豚たちへの
あいさつで1日がはじまる。

interview

社員の日常

Profile

養豚生産本部 繁殖チーム Y・M

大学の環境科学部で昆虫を研究していた異色の経歴を持つ。2019年に入社し、高山農場の養豚繁殖チームに配属。現在は12人のチームを率いて分娩舎を担当するベテランに成長。

虫好きから、豚好きへ。

大学では昆虫を研究していました。畜産とは縁遠い世界に思われるかもしれませんが、根っこは同じで、とにかく生きものが好きなんです。だから、就職活動でも畜産関係の仕事で探していました。いくつかの会社で選考を受けていた中で、クレストグループに決めた一番の理由は「人」でした。会社の規模や福利厚生も、もちろん魅力的でしたが、面接や懇親会などで出会う人がみんな感じがよくて、ここなら安心して働けると思ったんです。配属先を選ぶとき、養鶏か養豚かと聞かれて「豚って可愛い」という理由で養豚を選びました。単純ですよね。でも7年経った今でもその直感は正しかったと思っています。


シャワーは1日6回。母豚と子豚を守るため。

養豚の仕事で驚かれるのが、衛生管理の徹底ぶりです。特に子豚は免疫が弱いので、防疫には一切の妥協が許されません。朝の出社で1回、繁殖豚舎に入る前に1回、別の豚舎に移動するたびにまた1回。多い日には1日6回シャワーを浴びます。高山の冬はとにかく寒くて、「豚舎と豚舎が通路でつながっていたらいいのに」と何度思ったかわかりません。でも、このルールがあるから母豚も子豚も健康でいられる。毎日の積み重ねが1,800頭の母豚と、その約15倍の子豚たちの命を支えているんだと思うと、手は抜けません。面倒だと感じることは、正直もうなくなりました。


目がキラキラしていれば元気。トロンとしていたら要注意。

母豚の体調を見極める方法はいくつかあります。餌の食べ方、体温、そして「目の輝き」。目がキラキラしていれば元気、トロンとしていれば不調のサイン。これは教科書に書いてあることではなく、毎日豚と向き合う中で身体に染み込んでいく感覚です。頭で理解している段階から、見た瞬間にわかる段階に到達するまで、2〜3年はかかりました。給餌ひとつとっても、母豚が本当に餌を欲しがっているのか、実は水が飲みたいだけなのかを見分ける必要があります。こうした判断は勉強してわかることじゃない。現場で積み上げた時間だけが教えてくれるものです。


生きもの相手だと、予定通りにいかないのが普通。

業務の半分近くは生産管理です。出荷頭数は毎週決まっていて、そこから逆算して人工授精の頭数や分娩数を計画します。ただ、相手は生きもの。予定通りに妊娠しないこともあれば、思ったより子豚が少ないこともあります。不足すれば前後の週で調整し、多ければ離乳舎と相談して受け入れてもらう。繁殖チームだけでは絶対に成り立たない仕事です。離乳舎、肥育舎、出荷まで、すべてがつながっている。小さい子豚を無理に送れば後工程に負担がかかるし、止めれば出荷に影響が出る。このバランス感覚は、7年目の今になってようやく実感を持てるようになりました。


7年経っても、豚は私を驚かせてくれる。

繁殖チームは12人。日本人と外国人が半々で、20代が7割を占めています。外国人メンバーには、伝わったと確信できるまで何度でも説明するようにしています。入社した頃は先輩がたくさんいましたが、異動や昇格などで人も入れ替わり、気がつけば自分がベテランと呼ばれる側になっていました。それでも、7年経った今でも「こんなことが起こるんだ」と驚く瞬間があります。分娩前の母豚の乳房に触れた刺激で急に母乳の分泌が進んだり、些細なきっかけで状況が一変したり。知れば知るほど豚は面白い。この予測できない面白さがある限り、私はきっとこの仕事を続けていくと思います。



MESSAGE

昆虫の研究をしていた私は、畜産の知識が豊富だったわけでもなければ、もともと養豚を志していたというわけでもありません。それでも「動物が好き」「この人たちと働きたい」という気持ちで飛び込んで、気づけば7年が経ちました。最初は朝の早さに身体がついていかなかったし、覚えることも山ほどありました。でも、毎日豚と向き合ううちに、目を見ただけで体調がわかるようになる。その瞬間は何にも代えがたい喜びです。専門知識よりも、現場で学び続ける姿勢のほうがずっと大事だと、今は自信を持って言えます。